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お役立ち情報・2016年(H28年)01月号-01.15

2016年1月23日

「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」が改正されています


 日本では、子育てにかかるコストが高くつく傾向があります。たとえば高校や大学、または専門学校等に通う場合や、子供がスポーツや習い事を真剣にやろうとする場合も、まとまった資金が必要になることが多いです。

 調布市や府中市、狛江市のような西東京エリアでも、お子様、またはお孫様のために教育の機会を与えたいと考えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。


○世帯年収と教育費


 ところで高額な教育費を確保するには、ある程度の収入が必要となります。現在の調布市や府中市、および狛江市における年収の実態については、こちらのサイト(http://www.nenshuu.net/)で確認できます。


 

~300万円

300~

500万円

500~

700万円

700~

1000万円

1000万円~

調布市

32%

25%

15%

12%

8%

府中市

31%

25%

17%

14%

8%

狛江市

35%

25%

13%

11%

7%

(注)平成25年度のデータです。


 このデータはすべての世帯を対象とした調査の結果です。そのため、単身世帯や子供のいない世帯も含まれています。その点を考慮しても、調布・府中・狛江3市すべてで、年収が500万円に届かない世帯が半数を超えています。子供の教育費を充分に確保できない世帯も少なくないものと思われます。


○「教育資金の一括贈与に関する、贈与税の非課税措置」とは


 この制度は、平成25年4月から設けられました。


 個人が1年間に110万円を超える贈与を行った場合は、贈与税が課されます。もともとその都度支払う教育費は贈与税の非課税として取り扱われるので、贈与税はかかりませんが、将来かかるであろう教育費を、一度にまとめて贈与した場合には、贈与税が課税されてしまいます。しかし、この制度を用いて教育資金を贈与する場合は、最大で1,500万円まで非課税扱いになります。


その主な条件は以下の通りです。


1.直系尊属から直系卑属への贈与であること


親から子への贈与や、祖父母から孫への贈与が対象となります。


2.金融機関に、贈与を行うための口座を開設すること


専用の口座を用意して、そこに入金する必要があります。

口座をつくったら、金融機関を通して所轄の税務署に「教育資金非課税申告書」を提出します。


3.定められた範囲の金額を贈与すること


金額の制限は、以下の通りです。


学校のための資金の場合

最大で1,500万円まで

スポーツや文化・芸術に関する活動を

行うための資金の場合

最大で500万円まで


4.定められた目的で利用すること


文部科学省から以下のような基準が発表されています。


・学校等に支払う費用の例

(1)入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費、入学・入園試験の検定料

(2)学用品費、修学旅行費、給食費ほか、学校等における教育に伴って必要となる費用


・学校等以外に対して支払う費用で、社会通念上必要と認められるものの例

イ. 役務の提供や指導等を行う相手に直接支払う費用

(3)学習塾のような、教育に関するサービスを利用する場合における役務の提供の対価や施設の使用料等

(4)スポーツや文化芸術に関する活動、そのほか教養の向上を目指す活動に係る指導への対価等

(5)先述の(3)の役務提供または(4)の指導で使用する物品の購入費

ロ. イ以外の相手に支払われる費用

(3)に充てるための金銭で、学校等が必要と認めたもの



○平成27年度の改正内容とその影響


平成27年の改正で、次のように変わりました。


1.期限


「平成27年12月31日まで」→「平成31年3月31日まで」に変更されました。


3年3か月延長されたことになりますが、この間にじっくり検討することも可能でしょう。


2.適用範囲


「通学定期代」「留学渡航費」が追加されています。


3.金融機関への領収書の提出義務に関して


 平成28年から、以下の条件を満たす場合は、その領収書の代わりに支払先と支払金額の明細を記載した書類を提出してもよいことになりました。


「領収書等に記載された支払金額が1万円以下で、かつ、その年中における合計支払金額が24万円に達するまでのもの」


○教育資金の一括贈与に関する、贈与税の非課税措置のメリットとは


 最大のメリットは、まとまったお金を教育費として提供すると同時に、子孫に財産を非課税で渡せる点でしょう(口座の預金を30歳までに使い切るようにすれば、贈与税は課されません)。


 実際に利用するにあたっては、専門的な知識が必須となります。相続手続きに造詣が深い税理士に、早めに相談することがおすすめです。


(※この原稿は、2016年01月の法令に基づき、記載しております。)

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相続税額 計算 シミュレーション
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