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お役立ち情報・2016年(H28年)02月号-02.11

2016年2月11日

平成28年度税制改正(その1) 

 昨年の12月16日、平成28年度税制改正大綱が発表されました。当初は、12月10日に発表される予定でしたが、消費税の軽減税率がまとまらず、12月10日にいったん消費税以外の部分が発表され、遅れて12月16日に消費税も含めた税制改正大綱が発表されています。

今回の税制改正大綱の目玉は、消費税の軽減税率の導入や、法人の実効税率の20%台への引き下げになりますが、ここでは土地・住宅関連の内容をピックアップしていきたいと思います。

 

1.空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例 の創設

  被相続人が生前居住していた家屋やその敷地を相続した個人が、その相続開始以後3年を経過する日の属する年の年末までに、当該被相続人の居住していた家屋やその敷地を売却した場合には、その売却に係る譲渡所得から3,000万円を控除することができるようになりました。

 この特例は、平成28年4月1日から平成31年3月31日までの間の譲渡について適用があります。

譲渡所得 = 売却代金 - (取得費+譲渡費用) - 特別控除(3,000万円)

現行の居住用不動産に係る3,000万円特別控除は、相続で空き家になった不動産を売却しても適用がありませんでした。今回の空き家に係る譲渡所得の特別控除の創設で、空き家問題を抑制することが期待されています。

 要件は下記のとおりとなります。

① 相続時に、当該被相続人以外に居住をしていた者がいないこと

② 相続後、譲渡の時まで事業や貸付、居住の用に供されていないこと

③ 家屋は、譲渡の時において地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる基準に適合するものであること

④ 相続の時から譲渡をした日以後3年を経過する日の属する年の年末までの間に、他の譲渡も含めて1億円を超える場合には適用しない

⑤ 他の譲渡の特例との併用はできない


2.住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設


 個人が、その者の所有する居住用の家屋について、一定の三世代同居改修工事を含む増改築等をして、当該居住用家屋を平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に、その者の居住の用に供した場合には、次のいずれかの特例が適用できます。


(イ)ローン控除(5年間)

控除額 = ローンの年末残高(1,000万円を限度) × 控除割合

控除割合

① 一定の三世代同居改修工事に係る工事費用(250万円を限度)の場合・・・2%

② ①以外                            ・・・1%


(ロ)税額控除(その年のみ)

控除額 = 標準的な工事費用相当額(250万円を限度) × 10%


※ 標準的な工事費用相当額とは、三世代同居改修工事の改修部位ごとに標準的な工事費用の額として定められた金額に当該三世代同居改修工事を行った箇所数を乗じて計算した金額をいいます。

 一定の三世代同居改修工事とは

 ① 調理室、浴室、便所、玄関のいずれかを増設する工事

 ② 改修後、上記工事のいずれか2つ以上が複数となるもの

 ③ 工事費用(補助金がある場合には補助金を控除後)の合計額が50万円を超えるもの

をいいます。

 申告をする際には、「三世代同居改修工事等の証明書」の添付が必要です。証明書の発行は建築士などに依頼しましょう。 


 その他、細かい規定などが順次決まってきますので、適用をお考えの方は、必ず税理士に相談するようにしましょう。


(※この原稿は、2016年02月の法令に基づき、記載しております。)

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相続税額 計算 シミュレーション
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